拠点が置かれている一般のオフィスビルでは、おおむね春と秋の2回、法定点検が実施される都合上停電が発生するという。一方で同社は24時間365日体制でのサービス提供を行なう企業であるため、法定点検中もサービスを継続する必要がある。そこでこれまでは、拠点ごとにガソリンエンジンによる自家発電装置を設置したり、UPSを使ったり、クライアントPCに関してはノートPCを使うことで凌いだりといった工夫で対処してきたそうだ。
同氏は当時の様子を次のように語る。「30分程度の停電であれば自家発電装置で対応することができますが、自家発電装置用にガソリンを買いに行くのは本当に情報システム部がやるべき仕事なのだろうかという疑問がありました。また、作業の都合で停電時間が延びたりしたら、燃料切れの可能性が生じます。自家発電装置を止めてしまっては意味がないので、運転中にガソリンの補充を行なうとなると、うっかりこぼして引火の危険も考えられる。情報システム部員が火傷を負うような事態はあってはならないと考え、運用のあり方について見直しを開始しました」。
こうして、会社の成長に見合ったシステム運用体制確立の一環として、「最低限サーバだけでも停電しない場所に移す」(岡氏)ためにiDCの利用に踏み切ったのだ。
遠隔から電源オフオンできる安心感
同社では当初、いわゆる「オフショアリング」の発想で遠隔のiDCの利用を想定したそうだ。しかしその後の検討の結果、既存の拠点のそばで物件を探す方針に切り替えた。その理由を岡氏は、「稼働中のサーバを移動する際のシステムダウン時間を最小限に留めるため」だと語る。そして、「管理担当者がどの拠点にいても同じように運用管理作業が行なえるようにするためのリモートアクセス環境を整備するため」、KVM over IPの選定を行った。
 |
小林 達也氏
ピットクルー株式会社
管理本部 情報システム
アシスタントマネージャー |
| |
ラリタン製品を選択した理由は、同社のシステムがWindows環境中心だったためだという。同社の管理本部 情報システム アシスタントマネージャーの小林 達也氏は、「Windowsマシンの管理には、やはりキーボード/マウス/ディスプレイが揃っていた方がコマンドラインベースよりもオペレーターが管理しやすい。その点、Dominion KX IIを利用したKVM over IPソリューションなら、マシンが手元にあるのと同様の操作感が実現できます」と語る。
また、電源管理製品であるDominion PXの導入は、当初遠隔のiDCを利用することを計画していたことから生じたものだという。
「Windows サーバが物理的にフリーズした場合の対処を考えると、遠隔から電源のオフオンができ、強制的にリブートできるDominion PXには万一の際の対応策としての安心感があります。保険としての意味合いもあり、導入しました」と小林氏。さらに、「現在のiDCは拠点近隣にあり、緊急の際には短時間で現地に駆けつけることも可能なので当座はPXを使わなくて済みますが、将来遠隔に移転した際にも問題なく運用管理ができるように、今のうちから経験/実績を積んでおくこともこのタイミングで導入した目的の1つでした」と続けた。